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仏石の文字を確認し終えて、それに満足した頃。
箒があれば良かった、(今度)箒を買って来てもよい、
という様な事をおっしゃりながら手で落ち葉を拾っていた。
少し前に雨と風の強い日が続いていたので、あたりは落ち葉や折れた枝だらけだった。
私は、落ち葉を拾う女性の姿を見て、あ。...掃いた方がいいのかな..と思い、
その辺りの枯れ葉付きの木の枝を拾って、それを箒代わりにして掃いてみた。
女性は少し離れた向こうの方で落ち葉や落ち木を拾っていた。
そんなふうにお互い枯れ葉掃除をしていたら、
しばらくして女性がこちらにやって来て、雑談をしながらまた「箒があれば..」と言う。
手で拾ってはみたものの、やっぱりちゃんと掃除をしたい様で...。
箒があったらいいのにと、何度もおっしゃりながら再び落ち葉拾いへ..。
私は枯れ葉付きの木の枝がわりと気に入り始めていて、軽快に落ち葉掃きをしていた。
すると。
「あっ、ここにあるわ!」と言う声がしたのでそちらを見ると...
隅の一角の木の裏側に竹箒とプラスチック製の箒が何本か立てかけてあった。
私がそこへ行くと。
女性は当たり前のように。
黙って私に竹箒を手渡した。
そして自分でも箒を手に取って。
お互い何を話し合うでもなく。
自ずとそこらじゅうの落ち葉を掃き始めた。
落ち葉掃きをしながら「よく(箒を)見つけましたねー」と言うと、
彼女は「よく見つけたねって、まるで計られたような気がするよ」と笑った。
あぁ、確かに。流れ的に。
「そうですね」と私も笑う。
“掃除をしてくれ”と天皇の霊(御魂)が呼んだのだと彼女は言い、
続けて「天皇さんはさすがに(人の)使い方が上手い」と言うので、
私も「そうですね、人選も上手ですね。
ちゃんと掃除してくれそうな人を選んだんですね」と言うと、
女性は「(その事が)可笑しい..」と言って笑っていた。
それから...お互い随分熱心に集中して落ち葉を掃いた。
女性は途中、
天皇の仕事(使い)をしたのだから何か良い事があるかも、と言ったあと、
すかさず「うそ、うそ、そんな事言ったらいかん。ボランティアよ、ボランティア」
と言い直していた(笑)
小さな石段も、ちゃんと下まで掃いた。
その場所は。
とてもキレイになった。
スッキリして、楽しかった。
ほぼ完璧と言える掃除を終えた頃、そろそろ日が暮れ始める時間になっていた。
私とその女性は「お疲れさまでした」とお互いに言葉をかけあった。
女性の車のところまで一緒に歩いたあと、
「私は下に車を停めているので」と言って、女性とはそこで別れた。
最後にもう一度「お疲れさまでした。楽しかったです」と挨拶をした。
結局、お互い名前も知らないまま。
楽しくも奇妙な1日。
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それにしても。
やっぱここ、(私にとって)何かある。
この事のある約2ヶ月前、2006年の7月19日にも、
ふらりとここへ訪れてしばらくのんびり過ごしてから駐車場の方へ向かっていると、
背後からと言うか、山(木々や土)全体から、
体に染み渡るようにメッセージ(波動)が伝えられた。
そのメッセージは「この山清く、水の絶えることなし」というものだった。
こういう事は(説明が難しいのだが)声が聞こえるわけではない。
一種のテレパシーにも似た感覚で、
声は聞こえないけど、波動で何かが伝わる様子は体で微細に感じられ、
それと同時に(おそらく波動が人間に理解できる言語に自動変換されるのでしょう)
その波動が何を伝えているのかは瞬時に知る事が出来る。
それに。
こういうのは。
人間なら誰にでも備わっている感覚で、特別な事じゃない。
不思議だとしたら、
何故、山はわざわざ《そのメッセージを知らせたのか》という事かなぁ。。
未だにその理由はわからない。
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【20070609】おわり

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